万屋「和華蘭堂」

きまぐれに、というかその日の気分で毎日話題決めて徒然と書きます

長崎の話をしよう

ようこそ、万屋「和華蘭堂」 へ!

今日は小説と歯医者の暴挙に委ねた一日となった。それもよいが、そのせいでブログを携帯で打つはめになった。携帯小説、今時はやらないと思うがな。

ここで今さらではあるが、この屋号の由来を明かそう。知っている人もいるんだろうけど、つまりそれは長崎を指す。今でもその町には和華蘭料理というなのものが残るらしいが、あいにく高級なもので今のところ食べたこともない。

おそらく出島の話はすでに出していることだろう。この人工の島ではオランダ人 (実際半分以上は国籍上決してオランダ人でもないはずだが)が長いこと貿易をし、窮屈ながらひっそりと生きてきた。

この場所は多くのものの興味をひいたが、その一人がDavid Mitchell という イギリス人の作家だ。日本人の妻を持ち、長い間日本に住んでいるが、彼の出島についての歴史小説は未だに訳されないようだ。その名も「ヤコブ・デ・ズートの千秋」という。

この小説のうまいところはやはり、歴史を熟知した上でのフィクションだ。実際起こったできごとを超え、いつしか起こっていないが起こってもおかしくないものと化す。オランダ側、日本側、イギリス側の陰謀に囲まれながら、誠実に19世紀の初めを生きるヤコブ氏の一生を描く物語である。

長崎の現状はもちろん違う。出島と同様、当時の長崎も大して栄えてはいなかっただろう。けれど、オランダ人との交流の場としての芝蘭堂が、ある意味このブログの一つの原点だったろう。そういえば、京都大学のあたりにもそういう名前のところがあったと記憶しているが、その意義をついぞ調べなかった。

いずれにせよ、長崎、ひいては九州もまだまだ見るに値する、知るに値することがあるというものだ。日本学科の教授諸氏はみな老後になってまたその話題に戻ってしまうのも、原点であるからだろう。50年後に見る出島ははたしてどういうものだろうか?

しかし、それはまた別のときの話。