万屋「和華蘭堂」

きまぐれに、というかその日の気分で毎日話題決めて徒然と書きます

オランダハウスの話をしよう

ようこそ、万屋「和華蘭堂」へ!

ブログを更新するのはまたしても久しぶりなことになったが、ひょんなことから自分のブログを読み返していたら、書くべきことが山積みであることに気づいた。この2か月弱、インターンとして毎日様々な人と触れ合い、交流し、意見を交換したり、たまには押し付けたり押し付けられたりして過ごしてきた。その中には、これからの人生の行方の手掛かりがあるはずだから、今の気持ちを文章にしたいと思う。

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通称「維新博」のフィナーレ

前の二回で少し触れているし、各広報手段を使ってその都度色々世に出しているはずなんだけど、どうもそれだけでは一貫性に欠けるから、ここで一度読者の便宜を図って時系列に沿って説明していこう。もちろん、今となってわかるようなこともいっぱいあって、プロジェクトの最後に参加して未だに知らないことも多いが、完全に主観的に語ることにしよう。

事の発端は2,3年前ほど。日本の佐賀県のトップの方に「肥前佐賀幕末明治維新博」という仰々しい名前の企画が立ち上がりつつあった。佐賀が明治維新前後に日本国政に於いて担っていた大役を称え、佐賀県民、県外の人々に現代の技術やデザインを以てして知らしめる企画である。その中には、誰が言い出したのか、いつしか「オランダハウス」というオランダと佐賀の焼き物文化やデザインの文化を発信するギャラリーも組み込まれていた。

その企画の中心となるのは、Artist in Residence、所謂滞在型創作活動というもので、6組のオランダ人のアーティスト・アートユニットが佐賀で滞在しながら自分たちの作品を館内で創作することにあった。最初のころは新しいベンチャーに戸惑い、客足も少なかったが、私が佐賀に着いた頃にはギャラリーも華やいでいて、正月を過ぎた時点で怒涛の日々の中必死な思い出オランダ人のアーティストの作品を解説してきた。

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私がこの企画を知ったのが今から1年半ほど前、京都留学から帰ってきて、卒業論文に手をこまねいていて、それこそ百物語の皆さんからお触れがあったあの頃だ。帰ってきてからというもの、10月にはJapan Festivalという在蘭商工会議所が後ろ盾になるイベントがあって、確かその時すでに在蘭日本大使館佐賀県出身の方がイベントをする、というような、噂話のような情報は入っていた。

事実、昨日知ったように、オランダハウスでお菓子などを提供してもらった老舗の和菓子屋の鶴屋の方や、大串製菓の方々がその10月の祭りにブースを出していて、私がその時点で彼らと顔を合わせているはずだ。もちろん、その時には知る由もなかったが…

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ギャラリー脇にあるクリーク(小川)

ともかく、11月にお世話になった先生からオランダハウスという企画のインターン生募集が私のところに届き、できればセバスティアンさんを第一に推薦したいとまで言われ、読んでみたら非の打ちどころのないインターンだったからほぼ二つ返事で答えた。佐賀なんてオランダと関係あるっけ、とか、佐賀に住んでて楽しいのかな、という感想はもちろん持った。けれど、それ以上にこれから始まる一年が楽しみで仕方なかった。

未来が楽しみだ、って素直に思えたその時、私はそれが正しい選択であることを確信した。実際行ってみても、考えもしなかったコネクションがそこらじゅうに広がり、オランダと日本の交流、佐賀との交流が企画者もお客さんも楽しめる内容になっていた。

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一番思い知らされたのが、人ひとりひとりの個性の価値。オランダハウスがいい感じでやっていけた理由の一つとしては、関わってきた人たち一人一人のスキルをうまく組み込んだところだと思う。職業で言ったらもちろんアーティストの方々が印象深いのだが、菓子職人、建築士、グラフィックデザイナー、映画監督、行政の役人、大学教授、大学生やフリーター、零細出版社、フリーライター、地元のNPOの人、周辺の定食屋さんなんて、文章にしようとしてもしきれない人たちが関わってきた。

それをうまく束ねてきた企画会社の人たちを、私は日が経つにつれて尊敬するようになったとともに、一緒に働いていて楽しい仲間としても見れた。本人たちは大層な苦労をしてやっていたけど、終わってみたら次の章を語るぐらいの元気は残っていたから、どうやら佐賀と私の関わりは今回限りのものではなさそう。それどころか、オランダに戻っても、東京に行ってもまた会うべき人がいるぐらいだ。

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撤去作業も仕事の内!

思った通り、書いてみても脈絡なく、関わってきた人たちとの思いで一つ一つなんてここでは書けそうにない。とりあえず、ここで一旦「お疲れ様です」と「Doei doei」を添えて、締めくくろう。これが終点なんかではなく、通過点でありますようにと。明日も同じ気持ちを持って、理想に一歩、また一歩近づいていけるように。

しかし、それはまた別のときの話。